四条エイジ随筆選

詩人・流言研究家・IT Editor・ITコンサルタント・コンプライアンスオフィサーが自由気ままに書き綴る随筆選。

春がくれば

書斎から春の景色を見ながら、仕事ができれば最高だ。 春の空気、音、香り。 月曜からの仕事のモチベーションに季節を持ち込める。 在宅勤務の醍醐味なのかもしれない。

職業に貴賎なし

訳あって、自分の仕事に関して、自分自身を振り返っている。所謂、自己分析に近いかもしれない。自分の仕事におけるポリシーは何か?これは人生観ともリンクする。きっかけが無ければ、なかなか自分の仕事観、職業観を考えてみる機会はない。 基本的には、仕…

ブックカバーコレクター

ブックカバーが好きだ。本を買った時に付けてくれる紙のブックカバーではない。本革や帆布素材のブックカバーだ。常に10冊程度を平行読みしているのだが、新書サイズと文庫サイズのものについては必ず本革のブックカバーを付けて読んでいる。本革は使い続け…

次の季節へ

正に冬真っ只中。1月の風は冷たい。ベランダのブルーベリーはほとんど葉を落としてしまったが、枝の先には春に向けて芽が少しづつ大きくなってきている。常に1つ先の季節はその存在を静かに誇示している。小さな変化に気付ける感性を常に持っていたいものだ…

所属変われば立場変わる

会社という組織の中で、所属する部門が変われば自分の立ち位置も変わる。私は、大学卒業以来、某IT企業に勤めている。転職の経験はない。私は新人の頃、とある現場部門にいて、その後、某有名企業に出向し、また現場に戻ってきて、週の半分は客先にいた。そ…

藤原伊織さん

藤原伊織さんは、1996年に「テロリストのパラソル」で直木賞を受賞した。私が最も敬愛する作家である。私と共通の知人もいるが、直接の面識はなかった。2007年に亡くなられたのが残念でならない。 藤原さんの作品の素晴らしさは、ストーリーの良さもあるが、…

隙間風の来訪

緊急事態宣言が出て、街の静寂は早く訪れるようになった。車通りも普段より若干少ないように感じる。もしも、私が独りぼっちならば、孤独と不安に怯えているであろう。こんな時は、家族(パートナー)に感謝したくなる。今夜は時々突風が吹き抜けて、玄関ドア…

家では走り回らないこと

生まれてから、今まで一軒家に住んだことがない。ずっと、マンションである。転勤族で、西は三重県、北は宮城県に住んだことがある。子供の頃から、マンション暮らしであるため、騒音に関しては、親から注意を受けた。そのため、家では走り回ったりしない。…

仕事量とその対価

仕事はこなした量に比例して対価である給料を貰えるわけではない。そこには、質という要素が介在する。また、所属する組織・会社全体の収益に応じて、対価は変動する。残念ながら、努力した分だけの対価が貰えるような単純な世の中ではない。しかし、諦めて…

衛生管理

貝原益軒の養生訓は、江戸時代に流行った健康本である。養生訓の中では、身の周りの環境を清潔に保つこと、掃除することの重要性を掲げている。また、養生訓では、掃除をすることは、良い運動になるし、心を落ち着かせる効果もあるとも言っている。 先月、我…

事実に立ち向かう

事実とは人によっては違う様相を見せる。人によって、何が事実であるかは異なる。オルタナティブファクトだ。全てがオルタナティブであるとすれば、真の純粋な意味での事実とは何かということになる。不本意であるが、多くの人が事実と認める事を事実である…

天邪鬼が流行に乗る

2020年から始まって、今も私は在宅勤務を続けている。昨年、ほぼ毎日出社したのは、1月と6月のみ。在宅勤務中、本当に集中力を要する調査や資料作成時と、オンライン会議の時以外は、ラジオを小音量で聴きながら仕事をしている。その影響で、2020年のヒット…

真夜中にシサク

真夜中、眠りつくまで、文章を書き綴っている。特に生産的で希望溢れる言葉を紡ぎ出せるわけではない。思いつくままに唯書き綴って、脈略の有るような無いような、責任の伴わない文章を書くことは実に楽しい。普段、仕事においては、目的に即した伝わる論理…

流言研究

2018年のこと。ふと、思い立って「流言」や「デマ」「うわさ」について、詳しく知りたくなり、関連する書籍を読み漁るようになった。 きっかけは思い出せない。ただ、ふと思い立ってという表現がしっくりくる。 そして、2020年、コロナ禍において、「トイレ…

自由気まま

何かに忖度したり、気を遣い過ぎて、疲れてしまう日がある。 そんな状態に嫌気がさして、自分を責めたりしても意味がない。 何も解決しない。 たまには力を抜いて思うがままに、自由に物事を綴ったり、吐露してみて、明日からの活力が回復するならば、それが…

香水はモード切替えスイッチ

今年、「香水」という曲が流行った。香水と言えば、私は社会人になってからずっと愛用している。外出する時には1プッシュ。人に不快な感じを与えないように、軽く仄かに薫ればと思っている。愛用しているのは「BLEU DE CHANEL」。今のところ、会社や知り合…

君の経歴に興味なし

あるテーマでプレゼンする機会があった。 私はそのテーマに忠実に資料を作成し、プレゼンした。 聴く人に少しでも興味を持ってもらえるように努めた。 そして、他の人による同じテーマのプレゼンを拝聴した。 その人は全体時間の多くを「自己紹介」に費やし…

大地の筆先

鮮やかに黄色く葉を染めた銀杏の樹から、風が吹く度にヒラヒラと葉が降っている。 まるで、大地から突き出た筆のような形をしている大きな銀杏の樹だ。 リビングから見える景色には一体何種類の植物がいるのだろうか。 少なくとも、今この時期は全ての注目を…

デマの心理学

流言研究において、最も有名な古典は「デマの心理学(オルポート、ポストマン)」である。有名な公式「R(流言の広がりやすさ)=i(重要性)×a(曖昧さ)」を提言したのが本書である。 この「デマの心理学」はなかなか入手が難しい本で、高い値で取引されている。私…

許す

今年、某有名大型ネット通販サイトで買い物をして、2回、注文したものと違う商品が届いたことがあった。 いずれも、出品者側のミスであり、解決したのだが、注文していたものが届くのに倍以上の時間がかかってしまった。 そんな時、「ついてないな」って、…

白熱灯

私の書斎にはLED蛍光灯(3段階に明るさ調整可能)、LEDデスクスタンド、白熱灯の間接照明がある。夕方、仕事中に使うのは専ら白熱灯の間接照明である。 これは一人暮らしを始めた頃から10年以上使っている。当初はベッドサイドで使っていたものだ。白熱灯はLE…

会話の教科書

学生の頃、会話することが苦手であった。 何を話せば良いのか分からなかったのだ。 しかし、何を話せば良いかなんて考えることはナンセンスだ。 相手との関係の中で自然に会話が発生する。 何も考え過ぎないことだ。 しかし、言葉遣いやワードセンスはその人…

会議が増える

在宅勤務中は書斎で仕事をしている。 そして、夕方になると、リビングから夕陽を眺める。 少し癒されて、また書斎に向かう。 在宅勤務では、コミュニケーションが弱くなると言われているが、むしろ逆である。 在宅勤務になってから、会議が増えた。 物理的移…

無意味なランキングと〇〇大賞

住みたい街ランキング、都道府県の魅力度ランキング、世界の美しい顔ランキング、流行語大賞とは、誰がどのようにして決定しているのだろうか? 一体何人の人に調査をして決定しているのだろうか?そもそも調査しているのだろうか?明確な根拠が示されないま…

専門家の言葉

あらゆる専門家の言葉には力がある。 代表的なのは医者の言葉だ。 医者の言葉には重みがあり、心身ともに患者を癒す可能性を秘めている。 経験豊富なコンサルタントの言葉も依頼者の課題解決に大きく寄与する可能性を持つ。 己の中にある蓄積された知識と経…

理性なき場所

夜に繁華街を通る。飲み屋ではマスクをしない人々が大声でサッカー観戦を楽しんでいる。路上では缶ビールを片手にタバコを吸っている。飲んだり、吸ったりを交互に繰り返し、大声で話しをしている。その場所は路上喫煙禁止区域だ。酔っ払いが路上で大声でケ…

航空障害灯

都内の摩天楼を見渡せるホテルの高層階に泊まり、夜中夜景を眺めてみると ビルの屋上に設置された航空障害灯が赤い明滅を繰り返しているのが目に付く。 何故かあの明滅を見る度に何とも言えない切ないような気持ちになる。 理由は分からない。私の詩情を刺激…

腕時計

私の腕時計には秒針も短針も長針もない。 1メモリで10分、1日で1周する腕時計をしている。 正確な時間はスマホで分かる。腕時計をする意味があまりない。 秒針の音は私を追い込もうとする。 唯でさえ時間に追われた日常生活でせめて時計だけはゆったりと時間…

知識が基本

創造的、独創的なものを作り出すためには、基本的な知識が大前提となる。 何事も基本が大事である。 自分の才能という幻を過信して、堂々と振る舞っても土台がなければ、グラつき、揺れて躓く。 許された時間の中でしっかりと土台を固めるのだ。 日々、己の…

西日に暖まるトンボと蜂

私の家のリビングには東側・南側・西側に窓がある。 夕方になれば西日が差し込む。 西日を反射した窓の傍に赤蜻蛉と蜂が止まっていた。 夕方一時の暖の中、陽が沈む西へ向かい飛んでいった。 そんな静寂の赤い時間を把握できるのは書斎で仕事している故だ。 …