四条エイジ随筆選

詩人・流言研究家・IT Editor・ITコンサルタント・コンプライアンスオフィサーが自由気ままに書き綴る随筆選。

読書

伊東の景色と共に

情景が広がる。言葉の奏でるリズムと共に。 木下杢太郎は私が敬愛する詩人の1人である。 数年前、当時名前さえ知らなかった「木下杢太郎」の詩集を私は手に取った。 その数週間後、結婚後、初めて旅行に行った伊東で、木下杢太郎記念館を訪れた。 伊東の美し…

藤原伊織さん

藤原伊織さんは、1996年に「テロリストのパラソル」で直木賞を受賞した。私が最も敬愛する作家である。私と共通の知人もいるが、直接の面識はなかった。2007年に亡くなられたのが残念でならない。 藤原さんの作品の素晴らしさは、ストーリーの良さもあるが、…

会話の教科書

学生の頃、会話することが苦手であった。 何を話せば良いのか分からなかったのだ。 しかし、何を話せば良いかなんて考えることはナンセンスだ。 相手との関係の中で自然に会話が発生する。 何も考え過ぎないことだ。 しかし、言葉遣いやワードセンスはその人…

読書カテゴライズ(6)自己啓発的な読書

自己啓発とは、自発的に自分自身の成長を図ることである。自分自身の成長とは、知的な成長や精神的な成長である。困難にぶつかり、悩み苦しむ時、生き延びるためには、成長が必要である。 本はそんな成長に大きく寄与する。肉体的な成長には運動。精神的な成…

読書カテゴライズ(5)娯楽としての読書

何の為に読書するのか。大半の人が楽しむために本を読むのだろう。 想像力を膨らませ、世界を脳内に展開させる。文字情報からオリジナルの世界を想像(もしくは創造)する。これは人間、しかも識字を前提とした人間の特権である。 私は小説をあまり読まない…

読書カテゴライズ(4)知的好奇心からの読書

大抵の人間には知識欲というものがある。物事を知りたいという欲求は生物界においては人間特有のものだろう。知識というと、どうしても勉強と同義と捉えがちだが、所謂お勉強だけが知識ではない。自分が興味を持った事物に対して、知りたいと思えば、それが…

読書カテゴライズ(3)叙情的な読書

幼い頃から、詩を創作している。そして、恥ずかし気もなく、私は詩の創作という事実、趣味を公言している。過去にはHPで作品を公開していたが、今は非公開としている。 そんな詩の創作に繋がる読書を、私は叙情的な読書と呼んでいる。つまり、詩情を搔き立て…

読書カテゴライズ(2)ライフワークとしての読書

現在の私のライフワークは「流言研究」である。 世の中に度々出現しては消えるデマ・フェイクニュースに伴う風評被害やパニックに興味を持つようになり、関連する書籍を読み漁っている。 ライフワークとしての読書において、目的は研究であるから、最終的に…

読書カテゴライズ(1)5分類

私の趣味は読書。趣味というよりは生活の一部であると言える。 大体10冊程度を同時進行で読んでいて、常に飽きないようにと工夫している。 多い時で年間100冊程度。決して読むスピードは早くない。むしろ遅い。 私の読書の傾向について、カテゴリーしてみた…

数値に騙されてはならない

世の中には数値が溢れている。アンケートや測定から取得したデータを統計的手法で集計・算出・分析された数値は世間の人々に提示される。 そして、情報の発信者は自分の主張を補完するような数値データを示しながら、いかに自分の主張が正しいかを強調する。…

随筆は詩である

最近、寺田寅彦の随筆にはまっている。文章が美しい。 まさに詩と捉えても問題ないと私は考えている。 岩波の「寺田寅彦全随筆(全6巻)」を購入した。 振り仮名が無く、旧字体で書かれているため、読むのに多少時間がかかるが、 それもまた楽しい。

漫画を読む

幼い頃、私は漫画をほとんど読まなかった。 特に深い意味はなく、正直興味がなかっただけの話である。 高校生のころ、マスターキートンにはまった。 そして、大人になり、フェアリーテイルにはまった。 そして、最近アニメを観て、つい大人買いしたのが「イ…

五足の靴

紀行文というものについて、私は芥川龍之介と木下杢太郎が書いたものしか読んだことがない。本書、『五足の靴』は、与謝野鉄幹、平野萬里、北原白秋、吉井勇、太田正雄(木下杢太郎)によって、書かれた紀行文である。 特に好きなのは「(二十三)柳河」「(…

世界≠幻

私が学生時代から敬愛・尊敬している作家に辻仁成さんがいる。 辻さんの著書に「世界は幻なんかじゃない」というフォトエッセイがある。 ハードカバーで読み、文庫でも読み。という感じで無意識に好きな1冊である。 最近、辻さんの「孤独にさようなら」とい…